大人の発達障害?あの人はなぜ仕事ができない?

うつ、発達障害
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みなさんの職場では「すごく学歴があるのに仕事が全然できない人」「能力は高いけどこっちの気持ちを全く汲んでくれない人」はおられないでしょうか。
私はこのように聞くと、これまでに出会った何人かの顔が思い浮かびます。

実はこのような方の中には「発達障害」の傾向がある方がおられるかもしれません(こうゆうタイプの人間だから即、発達障害というわけではありませんのでご注意を)。

発達障害と聞くと、落ち着きのない「子供の障害」という風にイメージされる方もいるかもしれません。
ですが、その子供たちが大人になり、社会に出た時に前述のようなタイプの人間に当てはまるケースが多いようです。

本稿では「大人の発達障害」に関して、職場での私の実体験を紹介しています。
もしこれまでに思い当たる経験をされている方がおられましたら、本稿を読んで、そのような方々への理解を深めていただければと思います。

□本稿の対象読者
・大人の発達障害について知りたい方
・職場や友人に「発達障害では?」と思い当たる人がいる方
・「人の気持ちが全くわからない人」や「勉強はできるのに仕事が全然できない人」がまわりにいて疑問に感じている方

発達障害にはどのようなものがあるか

まずはじめに、発達障害としてよく知られているASD、ADHDに関して、それぞれの特徴を紹介いたします。

ASD

ASD(自閉スペクトラム症)には、自閉症アスペルガー症候群が含まれます。
相手とのコミュニケーションが苦手で、こだわりや興味が強いといった特徴があります。
また、想像力が乏しく、相手の言ったことをそのとおりに受け取るため、相手の言葉の微妙なニュアンスや気持ちを汲み取るのが苦手です。

以下で事例として紹介している私の同僚でも、強いこだわりや興味といった点では思い当たるところがあり、「やっぱりちょっと変わってるな」と思ってしまうケースが多々ありました。

ADHD

ADHDは、注意欠如・多動性障害とも呼ばれ、「多動」と呼ばれる落ち着きのない、じっとしていられない子どもをイメージする方も多いかと思います。
その症状により、「不注意優勢」、「多動・衝動優勢」、「混在」の3パターンに分けられるようです。

不注意優勢の場合、忘れ物、集中力の欠如、気が逸れるといったことが多く、一方で熱中するとまわりの声に注意がいかないといった面もあるようです。

多動・衝動優勢の場合、動いていないと落ち着かず、無意識に動いてしまい、落ち着きのない人と捉えられてしまう傾向があります。
感情のコントロールも苦手なようです。

混在の場合は、これら二つの特徴を併せ持ったケースです。

衝撃!同僚が放心状態に!

数年前、残業中に上司が同僚を注意している場に居合わせました。
その時は私を含め数人の職員が残っていましたが、各自が黙々とデスクワークをしていたため、上司が同僚を長々と注意しているのが嫌でも耳に入り、「別室でやればいいのにな」と思いながら、作業を続けていました。

そんな状況が10分ほど続くと、突然、その上司が同僚の名前を連呼しだしました。
なんと同僚が直立不動で放心状態になっていたのです。

発達障害は遺伝するのか?

同僚はその後、5分ほど意識が飛んでいましたが、呼びかけに応じたのか何とか意識を取り戻し、その後は上司に促され、帰路につきました。

私はこのような体験が初めてで、帰宅後に妻に相談したところ、その同僚が女性だったこともあり、「更年期かな?」という反応がありました。
30すぎの男性である私は更年期というのがどういうものか即座にはイメージできず、「そういうこともあるのか」というくらいに考えていました。

翌日、現場にいなかった別の上司にそのことを報告することとなり、報告後に会話を続けると「彼女の息子は自閉症らしいけど、そのことも影響があるのかな」という、また違った意見が出ました。
自閉症などの発達障害は親から子へ遺伝するものなのでしょうか。

更年期?自閉症?など、当時は色々なことが想像されました

その後の経過と本人からの告白

その後、そのようなことが再発することはありませんでしたが、本人の様子から、仕事が順調でないことは明らかでした。
もともと計画性を持って仕事をするタイプではなかったように思いますが、仕事に対して億劫な様子が見て取れました。

そうして半年ほどが過ぎたある日、個室で3人で打ち合わせをしている最中、本人から仕事が辛いから医者に行ったと告げられました。
医者には軽い発達障害と言われたとのことです。

ご自身で医者に行き、ご自身から告げられたことには驚きを隠せませんでした

発達障害に対する社会の認識

発達障害という言葉は、以前に比べるとかなり社会に浸透してきたように思いますが、一方で自閉症などを中心に、子供の障害という風に認識している方も多いのが実状かと思います。
しかしながら、その子供たちが大人になると、改善はされるものの、なくなるものではないというのが現実のようです。
そして、その大人が組織で働く場合、苦労する点が多々あるようです。

例えば、学生時代の勉強では非常に優秀で有名大学を出ているけど、仕事が全くできないという人が皆さんの周りにはいないでしょうか。
勉強と仕事の違う点は、仕事には勉強のように決められた答えがないことが挙げられます。
ルーティンワークでこなせる仕事も当然ありますが、私の職場ではオーダーメイド的な仕事が多いため、全く同じ仕事というのはほぼ皆無です。
発達障害の傾向がある方は、このような仕事が特に苦手な方が多いようです。

仕事ができないといわれる方の中には、単にやる気がなかったり、自分で考えることもしていない方も当然おられると思いますが、このような障害を持っているのかもしれないという可能性も考えて、接し方を工夫することも必要かと思います。

おわりに

私は同僚のお子さんが自閉症という話を聞いて以降、以下のような発達障害に関する書籍をいくつか読んで自分なりに理解を深めようとしました。
発達障害は、自閉症などがよく知られていますが、いくつかの症状があります。
また、親から子に遺伝する傾向もあるようです。

組織で働く方は、大人の発達障害にどのようなものがあるかを知っておくだけでも、相手への目線を帰ることができるはずです。

ただし、ただ空気の読めない人に対して「この人アスペルガーかな」とか変に考えてしまう恐れもありますので、あまり決めつけるような考えは持たないほうが良いと感じています。
知識を持った上で、相手に合わせた接し方を柔軟に行えるのがよいのではないでしょうか。

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