コーヒー豆を「自宅で焙煎する」と聞くと難しそうなイメージをお持ちではないですか?
家で焙煎なんてできるの?
専門的な道具がいるんじゃないの?
案外簡単に楽しめてメリットが大きいですよ!
自家焙煎は少しの手間をかけるだけで、焙煎済みのコーヒー豆を買うよりもたくさんのメリットがあります。
この記事では、自家焙煎のやり方を写真で解説するとともに、自家焙煎で使う焙煎器についてオススメの商品を紹介しています。
自家焙煎を始めると、今までよりも美味しいコーヒーがリーズナブルに楽しめますよ!
・自家焙煎のやり方や必要な道具を知りたい方
・美味しいコーヒーをリーズナブルに楽しみたい方
・オススメの焙煎器が知りたい方
自家焙煎をオススメする理由
焙煎器があれば始められる
筆者は以前までは焙煎済みのコーヒー豆を購入し、一度に飲む量をコーヒーミルで砕いてコーヒーを淹れていました。
コーヒーショップで一度に購入する量は400g、価格は豆の種類によって1,500円〜2,500円程度。
夫婦2人で3週間程度で飲む量です。
そんななか、知人に「自家焙煎が面白いよ!」と勧められ、自家焙煎を始めてみました。
自家焙煎を始めるにあたって購入したのは生のコーヒー豆(生豆)と焙煎網。
これだけあれば自家焙煎を楽しめます。
ちなみに自宅がオール電化の方はガスコンロが必要になります。
焙煎時の香りがたまらない
焙煎前の生豆は、若干青臭く、決していい匂いではありません。
ですが、焙煎していくとだんだんといい香りがしていき、焙煎を終える頃には部屋中がコーヒーのいい香りに包まれます。
筆者は初めて焙煎をしたときにこの香りに一番衝撃を受けました。
もちろん、焙煎から日の浅いので、コーヒーを淹れるときにもとてもいい香りが楽しめます。
味だけじゃなく香りも楽しめるのがコーヒーの魅力の一つですね。
美味しいコーヒーを安く楽しめる
自家焙煎を初めて生豆をネットで購入するようになったのですが、コーヒーショップで焙煎済みの豆を購入するよりも安価です。
筆者がよく購入する生豆であれば、1000gで2,000〜3,000円程度。
コーヒーショップで焙煎済みの豆を購入していた際が400gで1,500円〜2,500円程度であったことを考えると、コーヒー豆にかけるコストは半分程度になっています。
その上、焙煎済みのコーヒー豆だと焙煎から時間がたってしまい、味がおちてしまう恐れもありますが、自家焙煎だとその心配はありません。
ステイホームにもオススメ
生豆は店頭で扱っていることが少ないため、ネットでの注文がメインになるかと思います。
そのため、ステイホームで楽しむのにピッタリではないでしょうか。
筆者はカフェでよく作業をしていましたが、一杯300円や400円するコーヒーよりも美味しいコーヒーを自宅で楽しむことができ、ステイホームがより楽しいものになりました。
自家焙煎のやり方解説
必要な道具
「自家焙煎」と聞くと、特殊な道具が必要だとか、難しそうといったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
ですが、やってみるととてもカンタンで、道具もすぐに用意できるものばかりです。
自家焙煎は以下の道具があればできます。
焙煎器と生豆以外は、すでにおうちにあるものばかりではないでしょうか。
後ほど説明する熱湯での豆の洗浄を行わない場合は、ざるは不要です。
- 生豆
- スケール(はかり)
- ざる(熱湯で洗浄する場合のみ)
- 焙煎器
- ガスコンロ
- うちわ
焙煎の流れ
自家焙煎の手順は以下のとおりです。
なお、3番の手順は必要に応じて省略してもかまいません(筆者は最近は省略しています)。
- 生豆を購入する。(生豆を店頭で置いていることは稀ですが、今だとネットで簡単に入手できます)
- 焙煎したい量を計量する。
- 熱湯で生豆を洗い、軽く薄皮をとる。(この作業は必ず必要ではありませんが、あとの掃除を少しでも楽にするために行います)
- ハンドピックで不良豆を取り除く。(焙煎前のどの時点で行ってもかまいません)
- 焙煎できる網などに生豆を入れ、コンロで焙煎する。(時間はだいたい10〜15分くらい、豆の種類や焙煎度合で前後します)
- 焙煎後、うちわなどで豆を冷やす。(焙煎後は高温を維持するため、放っておくと焙煎度合が変わってしまいます)
次からは各手順を写真を交えて説明しますので、ご参照ください。
下準備
生豆を用意
生豆を用意します。
あまり見る機会もないかもしれませんが、生豆の状態は緑っぽい色をしています。
匂いも少し青臭く、この状態では決していい匂いとは言えません。
生豆を洗浄
生豆を熱湯で洗浄します。
必ずしも必要な工程ではありませんが、私は薄皮を大雑把に取るために行います。
熱湯をかけると家族が「くさっ」と言うほどの生臭い匂いがします。
焙煎後の掃除が苦でなければ省略していただいてかまわない作業です。
不良豆を取り除く
変色したり形崩れしている豆を取り除く「ハンドピック」と呼ばれる作業を行います。
ハンドピックは焙煎前のどの時点で行ってもかまいません。
下の写真だと、左がきれいな豆、右が形崩れや変色した豆です。
焙煎スタート
焙煎網はこんなもの
焙煎のためには豆に満遍なく火が通るよう、焙煎器が必要です。
フライパンでフタをして焙煎される方もいるようですが、豆の色を見ながら満遍なく焙煎するには専用のものを使用するのがオススメです。
筆者は下の写真の焙煎網を使用しています。
筆者は週末に一週間分をまとめて焙煎します。
毎朝、妻と二人で飲む分でだいたい生豆150〜170g程度あれば一週間もちます。
1,000g購入すれば6回分、およそ一ヶ月半の分量となります。
同じような分量を焙煎されたい方は、筆者も使用している「焙煎職人」という焙煎網がオススメです。
網の底に凹凸があり、豆全体がばらつきなく焙煎できます。
価格も2,000円程度のお手ごろ価格です。
焙煎
ここからいよいよ焙煎の様子を解説していきます。
焙煎時は火力、換気扇ともに最大で行い、豆に直火があたらないようにします。
焙煎している間は常に網を振り続け、豆全体が満遍なく熱せられるようにします。
熱湯で洗浄した場合は水分を含んでいるため、最初は若干重ための音ですが、振り続けると水分が飛び、乾いた音に変わっていきます。
水分が飛び、乾いた音になったあたりから徐々に火に近づけていきますが、直接火には当たらないようにします。
1ハゼ
5分〜10分ほど焙煎を続けると、破裂音のようなパチパチという音が始まります。
これを1ハゼと呼び、1ハゼの途中で焙煎を終了すると「浅煎り」になります。
浅煎りはコーヒーの苦味が弱く、酸味が出やすいです。
1ハゼが始まる時間は豆の種類によって前後しますが、必ず起こる現象です
2ハゼ
さらに焙煎を進めると、パチパチという音からチリチリという感じに音が変わってきます。
これを2ハゼと呼び、1ハゼと2ハゼの間くらいで焙煎を終了すると「中煎り」になります。
浅煎りと深煎りの間のバランスの良い味わいですね。
1ハゼと2ハゼが聞き分けれるか心配と思われる方もいるでしょうが、やってみると大丈夫です。
比較的音の違いなどに鈍感な筆者でも「音が変わった」とわかるので心配ありません。
さらに焙煎を進め、2ハゼ以降で焙煎を終えると「深煎り」になっていきます。
苦味の強いテイストになり、豆の色も黒っぽくなります。
豆を冷ます
好みの焙煎度合になった段階で火を止めます。
火を止めても豆が非常に高温になっていますので、このまま放置するとさらに焙煎が進んでしまいます。
そのため、うちわなどで急冷して焙煎を留めます。
焙煎網を使っていれば、そのままうちわで風を送れます。
扇風機でもかまいませんが、網の中に残った豆の皮が舞ってしまう恐れがあります。
焙煎完了
焙煎後のコーヒー豆
焙煎完了後のコーヒー豆がこちらです。
つい10分ほど前の生豆の状態からは想像できないほどの見た目と香りになります。
下の写真は中深煎りの状態ですね。
自家焙煎を始めた頃は仕上がりを見るのが「感動的」でした!
焙煎度合で豆の色合いやツヤ感が変わっていくのを見るのはとても楽しく、いろんな焙煎を試してみました。
浅煎りだともう少し薄い色合いでツヤもありません。
深煎りだとより色が濃く、コーヒー豆の油分が表面に出てきて更にツヤっぽくなります。
私は毎回1,000gの生豆を購入し、最初は中浅煎りで作ってみて、酸味が強すぎれば翌週は中煎りにするなど焙煎度合を変えていき、徐々に自分好みの味わいにしていきます。
焙煎具合と豆の呼び方
焙煎の程度に応じて、一般的には以下のように焙煎具合が呼び分けられます。
浅煎り | シナモンロースト | 1ハゼの中間 | 酸味が強い |
中浅煎り | ミディアムロースト | 1ハゼ終了 | 酸味が楽しめる |
中煎り | ハイロースト | 1ハゼと2ハゼのちょうど中間 | バランスのよい味わい |
中深煎り | シティロースト | 2ハゼが始まったくらい | コク、甘みが出てくる |
深煎り | フルシティロースト | 2ハゼから2ハゼ終了まで1/3程度 | 豆にツヤが出てきてコクと甘みに加えて苦味が出てくる |
極深煎り | フレンチロースト | 2ハゼから2ハゼ終了まで2/3程度 | 酸味がほとんどなくなる |
極々深煎り | イタリアンロースト | 2ハゼ終了ごろ | 苦味が際立ち、エスプレッソなどにおすすめ |
唯一のデメリット
自家焙煎で唯一のデメリットと言えるのがコンロまわりの掃除です。
下の写真は焙煎後のコンロの状況ですが、焙煎時に豆の皮(チャフと呼びます)が飛び散っています。
焙煎前に熱湯で薄皮を多少とっていてもこの程度の状況にはなりますので、終了後は毎回掃除機などでの後片付けが必要になります。
コンロは掃除機などで綺麗にできますが、換気扇も定期的に掃除が必要です。
焙煎時は常にチャフが舞っているような状態で、それを換気し続けるので、かなりの汚れがたまります。
週に一度のペースでの焙煎でも月に一度は換気扇の掃除を行うのが良いでしょう。
なお、筆者は焙煎時に舞ったチャフが他のコンロの隙間に入らないよう、写真のようにアルミホイルで蓋をして焙煎をしています。
自宅で焙煎するメリットまとめ
- 煎りたて、挽きたてのコーヒーが自宅で楽しめる
- 自分好みの味わいに焙煎できる
- 焙煎済みのコーヒー豆よりもリーズナブル
コーヒー豆は焙煎からの時間によって、味わいがかわってきます。
一般的には焙煎直後よりも焙煎から3日程度たってからのほうが、豆の中に含まれたガスが抜けて美味しいと言われています。
ハンドドリップで豆にお湯を注いだ際に、豆が膨らんでくるのを見たことがあるかもしれませんが、焙煎直後のガスを多く含んだ豆だとあのようにお湯の水分に反応して膨らんできます。
焙煎からの味わいの変化を楽しめるのは、自家焙煎の醍醐味ですね。
味わいや風味にこれまで以上に敏感になり、コーヒーがより楽しめますよ!
また、焙煎具合によっても味わいが大きく変わるため、自分の好みや豆の特徴に応じて、焙煎を調整できるのも楽しみの一つです。
焙煎後のコンロまわりの掃除という手間はありますが、自家焙煎なら焙煎済みの豆を購入するよりリーズナブルにこんなに楽しく美味しいコーヒーライフを送ることができます。
多少の手間はまったく気にならないほど、大きなメリットが得られますよ!
焙煎器5選!
焙煎器にも様々なものが販売されています。
2,000円程度から数万円するものまで、価格帯も幅広いので、ここでは5つのオススメ商品を紹介させていただきます。
焙煎職人 16cm
記事中でも紹介し、筆者も愛用している「焙煎職人」の16cm。
夫婦やカップルなど、2人で1週間分や一人暮らしで1日2杯飲む程度の量にオススメです。
焙煎を始めるならまずここからといった感じでしょうか。
焙煎職人 13cm
同じ「焙煎職人」の13cm。
先に紹介した16cmより一回り小さく、一人暮らしの方にオススメ。
ですが、1日に2杯以上淹れる方であれば、先に紹介した16cmを購入するのが無難かもしれません。
自家焙煎入門セット
焙煎網に加え、高級豆「ブルーマウンテン」の生豆が100gセットになった「自家焙煎入門セット」。
豆を保管するキャニスターもついているため、かなりコスパの高いセットです。
ブルーマウンテンは生豆でも一般的な豆に比べるとかなり高価なため、とてもお買い得ですね!
手煎り焙煎器
こちらは網ではなく熱伝導率の高いアルミで作られた焙煎器。
上にあいている穴から焙煎具合は目視で確認でき、コーヒー豆に直接火があたらないのがグッドですね。
こちらも底に突起があるので、満遍なく焙煎できます。
珈琲考具 ロースター
こちらは回転式の焙煎器で、より本格感の味わえる商品。
コンロの上にセットし、ハンドルを回すだけで満遍なく焙煎ができます。
購入者からは「構造がシンプル」、「メンテナンスしやすい」との声も聞かれ、見た目以上に使いやすいようです。
コーヒーの味に大きく影響するのは
焙煎後は3日から2週間程度で味わおう
先にも述べたように、コーヒー豆は焙煎から3日程度おいたほうが豆に含まれたガスが抜けておいしいとされています。
そして焙煎から2週間程度で味わったほうがよいとされています。
店頭やネットで焙煎済みの豆を購入すると、焙煎から何日たっているかわからず、2週間以上たっているかもしれませんね。
焙煎後のおいしいタイミングでコーヒーを味わえるのも自家焙煎をおすすめする理由の一つです。
豆を粉砕したらお早めに
よりシビアになるのは、焙煎よりも粉砕からの時間。
コーヒー豆を粉砕してから時間が経ってしまうと、空気に触れる面積が増えて酸化し、味がどんどんおちるとされています。
そのため、そのとき飲む量のコーヒー豆を淹れる直前に粉砕することで、よりおいしいコーヒーを楽しめます。
自家焙煎でコーヒーを楽しまれる方は当然、自宅でコーヒー豆を粉砕する必要があります。
毎日、朝の忙しい時間にコーヒーを淹れるのであれば、手動のコーヒーミルよりも電動のグラインダーのほうが筆者としてはオススメです。
手動のものよりも高価になりますが、コーヒーを淹れる準備をしている間に豆を粉砕してくれるため、とても便利です。
以下の記事では、筆者が所有している製品など、有名メーカーの電動グラインダーの比較を行っていますので、気になる方はチェックしてみてください。
ドリッパーでも味がかわる
ハンドドリップでコーヒーを淹れるのであれば、ドリッパーの違いも味に影響します。
ドリッパーは形状、素材、お湯がでる穴の数など、メーカーによって様々。
お湯の抽出時間などによって、日本のメーカーと海外のメーカーで味わいも変わるため、ハマってしまうといくつも購入して試したくなってしまいます。
数百円から購入できるものも多いため、気になる方は以下の記事をチェックしてみてください。
おわりに
この記事を読んで少しでも自家焙煎のハードルを下げていただき、「やってみようかな」と思ってもらえると幸いです。
やってみると思った以上にカンタンでより楽しいコーヒーライフを楽しむことができますよ!