社会人の勉強時間は1日6分?勉強習慣化の方法とマージナルゲインの法則

勉強法
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会社で仕事をしつつ、時間を作って勉強する習慣ってありますか?
また、勉強が必要なのはわかってるけど始められない、なかなか続かないといったことはありませんか?

日本の社会人の勉強時間は、平均1日6分間だそうです。
極端にいえば10人中1人が毎日1時間(60分)勉強し、残りの9人が全く勉強しなければ、10人の平均時間は6分になります。

ロア
ロア

1日たったの360秒勉強すれば平均以上ですね。

社会人になって仕事を始めると、「実践こそが最大の勉強」、「OJT(オンザジョブトレーニング)に勝る勉強なんてない」と思い、基礎的な勉強を疎かにする方も多いかと思います
この考えは誤ったものではありませんし、実践で考えたことがもっとも身につくものであることに異論はありません。

しかしながら、その他にも基礎的なところから勉強していくことで、OJTによる成長スピードがさらに伸びていくことは間違いありません。
もしかすると「あいつには負けたくない」と思っている同僚はコツコツと自己研鑽を積み、いつのまにか手の届かないレベルに到達しているかもしれませんよ。

この記事では、毎日の積み重ねが大きな成果につながる「マージナル・ゲインの法則」を紹介するとともに、筆者が行なっている「無理なく勉強を続けられる習慣作り」を紹介しています。
筆者自身はこの方法で勉強を続けれるだけでなくモチベーション維持にもつながっているので、「勉強は嫌いなんだよ」、「時間集中力が続かないよ」といった方にとっても参考になれば幸いです。

□本稿の対象読者
・コツコツ勉強して成長に繋げたい社会人
・でも無理して勉強時間を確保するようなことはしたくない方
・勉強に抵抗があり、継続する自信がない方

社会人の勉強時間の実態

諸外国に比べて少ない

某転職サービスが一万人以上の社会人を対象に行なったアンケートでは以下のような結果がみられました。

  • 過去に仕事に関連した知識やスキルの学習に取り組んだ経験がある人は7割
  • 上記のうちの約6割の人は1週間の勉強時間が1〜3時間未満

社会人になって学習に取り組んだことがある人が7割であり、3割の人は社会人になって全く勉強をしていないというのは驚きの結果ではないでしょうか。
また7割の方が資格取得などのために学習していた時期であっても、1週間に1〜3時間未満という方が半数以上を占めています。
ちなみに習慣的に勉強を継続できている社会人は全体の5%といわれています。

下の表はアジア、オセアニアにおける社会人のうち、「社外の学習・自己啓発」を行なっている割合をまとめたもの。
表の一番右にある「とくに何も行なっていない」において、日本がダントツの「46.3%」となっていることがわかります。
同じアンケートでは日本よりもはるかに勉強熱心なタイ、インドネシア、ベトナムの方が「働いてみたい国」の1位に日本を選んでくれてるようですが、非常に恥ずかしく感じてしまいます。

引用元:パーソル綜合研究所|APAC就業実態・成長意識調査(2019年)

年収の高い人ほど勉強してる

過去に経済産業省が行なった「IT関連産業の給与等に関する実態調査」によると、年収の高い人ほど勉強時間が長い傾向が明確にみられました。
年収300万円の人に比べて、年収1,000万円以上の人であれば約2倍、年収1,500万円以上の人であれば約2.5倍の勉強時間を確保しているようです。

やりがいや責任のある仕事をするから勉強するのか、勉強してきたからそのような仕事をできるようになったのかはわかりません。
ただし、現在は年収が低い方でもしっかりと時間を確保し、目標をもって勉強されている方もおられます。
社会人になって特に何も勉強していない方が多い中で、そのような方にとっては転職や年収アップの可能性が広がるはずです。

ちなみに筆者の周囲の人間を見ていると、勉強意欲のある方は自己啓発や最新の知見に関する本をよく読み、仕事の環境や収益に敏感で、転職を恐れない方が多いように感じます。
そのような姿勢が上記の年収と勉強時間につながっているのかもしれません。

マージナルゲインの法則

読者の皆さんは、マージナルゲインの法則というものをご存知でしょうか?

この考え方は、自転車レース「ツールドフランス」において弱小とされていたイギリスの「チームスカイ」のゼネラルマネジャーに就任し、優勝まで導いたブレイルスフォード氏が取り入れた考え方です。

その考え方とは「毎日1%の積み重ねをする」「1%の改善をコツコツする」というもの。

今日の自分が「1」であれば、明日の自分は「1.01」となります。

この考え方は、前日の自分よりも1%改善するため、「+0.01(+1%)」ではなく、「×1.01(×101%)」ということになります。
つまり1年間継続した場合、「0.01を365回足し合わせる」のではなく「1.01を365回かける(1.01の365乗)」となります。
その結果、今「1」である自身の能力が1年後には「37.78」まで成長します。

この法則は、毎日の少しずつの自己研鑽が特大の成長につながることを表しています。

まずは目標設定

とはいえ急に「勉強したほうがいい」といわれても、目標もなくては始められないし、続けられないと思います。
そのため、まずは目標を設定する必要があります。

筆者は建築系の仕事をしていますが、筆者のような技術職の方であれば「技術資料を読む」「論文を読む」などが取り組みやすいでしょう。
普段の業務で疑問に思ったことや深く知りたいことなど、テーマを決めてそれに関連する書籍や文献を読み込んでいくのがよいかと思います。
Excelなどで読んだ日付、文献名、要点、所感をまとめておけば、積み重ねを目で見ることができ、「これだけ調べた」という自信にもなります。
その延長線上で、論文執筆などの目標をたてるのもいいのではないでしょうか。

営業職の方であれば「自社の商品やサービスを勉強する」「営業技術に関する書籍を読む」などでしょうか。
若手の方であれば「一人で営業活動し、自社のことは何でも答えれるようになる」、中堅の方であれば「営業成績をこれだけ伸ばす」といった目標がわかりやすいですね。

また、「英会話」「パソコン術」「資格取得を目指した勉強」もよいでしょう。
現在30代以下の方であれば、高齢化社会で上の世代の方が一気に定年退職し、外国人労働者が増えることが予想されるため、「英会話」が重宝される機会は格段に増えると思われます。
今ではオンラインで自宅でも気軽に英会話教室の授業を受けられるため、「何を勉強したらいいの」という方にもおすすめかと思います。
TOEICなどのテストもあり、目標設定のしやすさもおすすめポイントです。

筆者がすすめる勉強法

短時間集中を毎日

ではここから、具体的な勉強の方法について紹介します。
結論から申し上げると「短時間の勉強を習慣化する」というのが非常におすすめです。

「勉強を習慣にしていない方」や「勉強に苦手意識がある方」がいきなり1時間も2時間も毎日勉強するのはかなりハードルが高いことです。
そのため、1日10分や15分といった短時間の学習から始めてみてはいかがでしょうか。

筆者の場合、「出社後、始業までのわずかな時間」は必ず勉強する時間にあてています。

会社に出社すると、皆さんは始業時間までをどのように過ごされていますか?
「同僚と世間話」、「まずはメールチェック」など、様々かと思います。

ですが、この時間ってもったいなくないでしょうか?
同僚と世間話をしたければ昼休みでもかまいませんし、メールチェックなんて仕事が始まればイヤでもしなければなりません。
疲れがたまっておらず、頭も冴えている朝の貴重な時間を無駄にしていると言っても言い過ぎではないように思います。



メリット

短時間の集中でOK

筆者がこの方法を続けられる理由は、「集中するのが短時間でOK」だからです。

私は始業の30分前くらいに会社につき、始業前の勉強にあてている時間は20分ほどです。
このくらいの時間であれば、「勉強するのが苦手」、「長時間集中できない」という方でも「できるかも」と思えるのではないでしょうか

社会人になって勉強するとなると「1時間や2時間も勉強する時間なんてない」、「疲れてるのに1時間も集中できないし」と考えてしまう方も多いかと思います。

ですが、勉強時間は長さではなく、その密度が重要です。
集中できずにだらだらと1,2時間勉強するよりも、始業前の短時間、しっかりと勉強できる時間を確保するほうが格段に効率的です。

モチベーションにもつながる

この勉強法を実際にやってみると、短時間であることに加え、始業時間というタイムリミットがあるため、「あぁ、今日はここまでしかできなかった」という思いから「もうちょっと続けたい」という、勉強に対する意欲がでてきます

逆に仕事が終わってから自分で勉強の時間を作るとなると、強制的なタイムリミットがないこともあり、だらだらとしてしまいがちです。
終業後はスマホなどでプライベートの連絡も入るため、気が散ってしまう可能性も高くなります。

ですが、「仕事が始まるまで」という限られた時間であることが、「中途半端なとこで終わってしまった」、「また続きをやりたい」というモチベーションにつながり、勉強を継続する意欲につながります。
始業前のみんなバタバタしている時間であれば、プライベートの連絡が入って気が散る恐れもないでしょう。

在宅ワークの人はチャンス

このご時世、在宅ワークをされている人も多いかと思います。

私も週に数回、在宅ワークを行っていますが、在宅ワークの方は始業前の勉強時間をより確保しやすいのではないでしょうか。

勉強時間を無理に伸ばす必要はありませんが、通勤に要する時間が短縮できるので、15分や20分の勉強時間を確保しやすいはずです。

習慣化→拡大

上記の「短時間集中」の勉強法を習慣化できれば、徐々に拡大させていくことで、勉強時間を増やしていくことができます。
例えば、出勤時の電車内、始業までの時間、帰宅時の電車内で20分ずつ勉強できれば1日1時間の勉強になります。

個人的には朝30分早く起きて、勉強時間にあてるのもおすすめです。
やはり頭が冴えていて、スマホやテレビなどの誘惑が少ない朝の時間帯が集中しやすいですね。

MMD研究所が15歳から59歳の2,000人以上に対して行なったアンケートによると、1日のスマホの利用時間は「2時間以上3時間未満」が19.2%、「3時間以上4時間未満」が16.6%となっています。
社会人でも電車内でゲームなどをされている方も多いかと思います。
時間の使い方次第で、自分が成長できる時間は確保できるはずです。

おわりに

読者の皆さんの中には「15分や20分の勉強なんて意味あるの?」と思っておられる方もおられるかと思います。
おっしゃるとおり、15分や20分の勉強を1日だけしたのであれば、その効果は非常に薄いでしょう。
ですが、筆者の経験から申し上げると、その1日の勉強でも意外と新しい知識を得たりできるものです。
それを毎日行うとなれば、何もやっていない人とは雲泥の差です。

数年後に「もっと前からコツコツやっておけばよかった」と後悔しないためにも、まずは「始めてみること」です。
マージナルゲインの法則のように、小さな一歩を続けることが重要です。
始めてみて「このやり方なら続けられそう」と感じていただければ、筆者としては非常に嬉しいことです。
始められることから始め、昨日の自分より今日の自分は1%成長していると思える習慣を手に入れましょう。







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