なんでも欲しがる子どもにオススメの教育法!

子育て
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お子さんが小学生になってもおもちゃやゲーム、スマホなど、友達の持っているものなど何でも欲しがって困るというご家庭も多いかと思います。
当然、子どもが欲しがるものを全部買ってあげるのは金銭的にも倫理的にも難しいですよね。
仮に金銭的に余裕があって、なんでも買ってあげるとなると、お子さんは「努力しなくても何でも手に入る」という考えになり、教育的にとても悪影響です。

この記事では、小学生になってもものを欲しがる子どもに対して「なんで欲しいのか」を考える力を身につけ、さらにそれを相手(親)に伝える能力も身につく子育てテクニックをお伝えします。
近年、教育の現場では自分の考えをプレゼンテーションする能力も重視されていますが、そのような能力も身に付く一石二鳥の方法です。
お子さんが様々なシーンで自分で考え、相手にうまく伝える能力を伸ばせること間違いなしですので、ぜひ試してみてください。

この記事の対象読者

・お子さんがいろんなものを欲しがって困っている親御さん
・人がもっているものをすぐに欲しくなるお子さんがいる親御さん
・子どもが自分で考える力を身につけてほしいと思っている親御さん

ものを欲しがる子どもの心理

まずはものを欲しがる子どもの心理について、解説します。
人のものを欲しがることのは親としては困るシーンも多いのですが、成長していくうえで、多少はしかたのない面もあります。

乳児:自我が芽生えて

0歳〜2歳の乳児期に友達のおもちゃをとってしまうなど、人のものが気になるのは、成長につれて徐々に自我が芽生えてきた証です。
好奇心の表れでもあり、この時期に「人のものを欲しがる」ことは、親としては心配しすぎないほうがいいでしょう。

子どもの成長として、前向きに捉えるのがよく、お子さんを注意する際もできるだけ前向きな声がけを心がけるのがいいですね。

幼児:所有欲をコントロールできない

3歳〜5歳の幼児期であれば、保育園や幼稚園で多くの友達と関わり、人の持っているものを目にする機会も増えてきます。
その結果、友達の持っているものがよく見え、「私もあれ買って!」、「○○くんが持ってたから欲しい!」ということも多くなってくるかと思います。

この時期は、乳児期よりも「誰のものか」という分別がつくようになっていますが、一方で所有欲がコントロールできない時期にあります。
もちろん個人差もあり、筆者の家庭では長女が人のものを欲しがる傾向にあった反面、次女はまったくといっていいほどそのような傾向がありません。
性格や環境(お兄ちゃん、お姉ちゃんがいて家におもちゃがたくさんあるなど)の影響もあるかと思いますが、欲求をコントロールできずに口や態度に出してしまうという時期ですね。

多少のトラブルを重ねることは、相手との付き合い方を学んでいくことにつながります。
親としては頭の痛いことの連続かもしれませんが、大きなトラブルにならない限り、親は過剰に干渉せず、どうすれば揉めないかを考えるように促すのがいいでしょう。

小学生:精神的な不足感。お金の価値の理解がない

小学生になると、徐々に所有欲を抑制できるようになってきますが、精神的な不足感などから、態度に出してしまう場合があるようです。
例えば、妹や弟が生まれて、両親の愛情が不足していると感じてしまう結果、その不満をもので満たしたいという感じですね。

また、単純にお金の価値がわからず、欲しければ買ってもらえばいいと思っているお子さんもいるようです。
お金を稼ぐことの大変さなどを少しづつ具体的に伝えていくのがいいかもしれませんね。

子どもが自分で考えるようになるオススメの一冊

年長や小学生になっても様々なものを欲しがる子どもに対しては、どうしてそれが欲しいのかをしっかりと考える習慣を身につけさせるのが効果的です。
筆者の子どももとにかく人のものを欲しがることが多かったのですが、小学生になり、少しずつ落ち着いてきました。
年長くらいになると自分で考える能力も徐々に身についてくるので、「欲しいもののどういうところが魅力的なのか」、「なんで欲しいのか」を考えさせる機会を親が作るのが有効です。

筆者がとても参考になったのがだいわ文庫から出版されている『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』という一冊。
著者の和田秀樹さんは、東京大学の医学部を卒業後、精神科医としての仕事の傍ら、1980年代から多くの書籍を執筆されてきました。
ご兄弟のなかでご自身が「できる子」として東京大学まで進み、父親から「できの悪いほう」と扱われてきた弟さんも母親の「子どもを信じる言葉」を受けて努力し、東京大学に進学したという経験から、親の言葉や姿勢の重要性を解説されている一冊です。

小学生になったお子さんの勉学に不安を抱える親御さんはもちろん、子どもに対する自分の言葉がけや子どもの態度に不安をもつ親御さんにもとても役立つ一冊です。
以下では、この書籍から年長や小学生になってもいろんなものを欲しがるお子さんへの働きかけを紹介します。

欲しいものをプレゼンさせてみる

どうして欲しいのか考えさせる

先に述べたように、年長や小学生の場合、ものに対する欲求をコントロールできなかったり、精神的な不足感に対してもので埋め合わせしようとし、ものを欲しがるケースが多いようです。
そのため、次から次に欲しいものが出てくるお子さんには、なんでそれが欲しいのかを考えさせる機会を与えるのが有効です。

その方法の一つが「欲しいものをプレゼンテーションさせてみる」という方法。
欲しいものに対してどういうところが魅力的なのか、自分が持っているものではダメなのか、金額に見合う価値があるのかなどを考えさせ、親に対して発表させるという方法です。

お仕事でプレゼンされたことのある親御さんであれば、プレゼンする際には様々な情報を調べたり、類似品と比較したりと、プレゼンに対していろんな準備をすることがイメージできますよね。
もちろん相手は子どもなので、社会人と同じレベルを求める必要はありませんが、自分で考えて説明させるというのは、大きくなってからもとても役立つ能力となります。

道具を使っても口頭でもOK

プレゼンなので、道具を使うのはもちろんOK。
例えばお絵かき帳にいろんな情報を書き出してみたり、兄弟で遊んでいるイメージを描いたりすれば、説得力が増しますね。

もちろん口頭での説明でもかまわず、大切なのはお子さん自身に方法を委ねること。
「紙にいろんなことを書いて説明してもいいよ」というヒントを出すのはかまいませんが、方法を決定するのはお子さん。
そしてお子さんのプレゼンに対して親は否定せず、「もっとこうすれば伝わりやすいかもね」とアドバイスを送れば、次回以降のプレゼンにつながるかもしれません。

大切なのは子どもが考えたことを否定せずにしっかりと聞いてあげることです。
親の肯定はお子さんの自信ややってみようという気持ちにつながっていき、結果的に子どもが感じている不足感の解消にもつながるかもしれません。

ちなみに、遠回しにでも子どもを否定する、他の比べて劣等感を抱かせる言葉がけは、子どもにとってはありのままの自分を受け入れてもらえてないと感じるものです。
親は子どものためを思って放った言葉でも、子ども自身の自己肯定感を低下させるため、お子さんの行動を否定することがクセになっている親御さんは気をつけるべきです。
こういった言葉がけのポイントは、バラエティ番組にも出演されている人気の犯罪心理学者 出口 保行さんの書籍「犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉」でもアドバイスされていますので、気になる方はこちらの書籍もチェックしてみてください。

親は質問してみる

お子さんのプレゼンに対しては、親御さんは質問をしてみましょう。

この際もできるだけ子どものプレゼンを否定しないようにしましょう。
「こうゆうふうに言ったけど、今までできたことないよね」とか「こんなこと言ったけどそれは間違ってるよ」というのも、避けるか言い方を工夫する必要があります。
社会人のプレゼンのように揚げ足をとるような質問ではなく、親御さんは説明をしっかり聞いていたよ、という姿勢をお子さんに見せるのが重要です。

冒頭で述べたように、現代の学校教育では徐々に「自分で考えて、相手に伝える能力」が重要視されるようになってきています。
家庭で日常的にそのような機会を設けることで、親子の会話が増え、お子さんの考える力が身につき、さらにいろんなものを欲しがることも減っていくかもしれません。

「みんなが持ってるから」はNG

ちなみに小中学生くらいのお子さんだと、ものがほしい理由として「みんなが持ってるから」という声が多く聞こえそうですよね。
ですが、プレゼンの際には「みんなが持ってるから」はほしい理由にはならないと伝えましょう。

みんなが持ってるからというのは、お子さん自身がそのものの魅力的な部分や、どういうポイントに惹かれているのかを伝える根拠となっていないからです。
仮に「みんなが持っていて、自分も持っていないと仲間はずれにされそうだから」ということであれば、ものを買い与えるよりも、もっと伝えるべきことがあるはずです。

「何かを持っていないと仲間はずれにする友達は本当の友達なの?」などの話をすべきですが、ポイントはお子さんが仲間はずれにされることを親御さんが恐れているということですね。
このあたりのお子さんとの接し方についても、『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』では紹介されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

おわりに

子どもが友達のものをなんでも欲しがるのは、親にとってはとても大きな悩みの種ですよね。
我が家でも長女がさまざまなものを欲しがった時期があり、成長につれておさまってきましたが、夫婦でとても悩んだ経験があります。

今回のように欲しいものを親に対してプレゼンさせてみるというのは、「どうしてそれが欲しいのか」を子どもが考えてみるきっかけになりますよね。
家庭で日常的にそのような機会を設けることで、親子の会話が増え、お子さんの考える力が身につき、さらにいろんなものを欲しがることも減っていくかもしれません。
お金がかかる方法でもないため、気になった方は今日からでも試してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、この記事で紹介した『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』では、子育てに役立つ様々なテクニックが紹介されています。
小学生になったお子さんの勉学に不安を抱える親御さんはもちろん、子どもに対する自分の言葉がけや子どもの態度に不安をもつ親御さんにもとても役立つ一冊ですので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

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