あなたの着こなしは大丈夫?クールビズのNGな服装

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夏場のビジネスシーンで推奨されるクールビズ。
普段のスーツスタイルのアイテムをクールビズでも使いまわしている方も多いと思いますが、実はクールビズスタイルにあったものを選ぶべきとされるアイテムもあります。

ジャケットやネクタイがなくなることからスーツスタイルより無防備な服装となりますよね。
一つ一つのアイテムが人目につきやすくなるため、アイテム選びを間違えるとダサかったり、貧乏くさかったり、幼稚に見えたりしてしまいます。

この記事ではクールビズでのNGな着こなしやアイテム選びのポイントをお伝えしています。
着こなしに気を使っている方はもちろん、「おしゃれには興味ないから」という方もビジネスの場において相手に不快感を与えないための礼儀として気をつけてみてはいかがでしょうか。
また、男性だけでなく、旦那さんや彼氏のクールビズファッションが気になっている方にも参考にしていただければと思います。

この記事の対象読者

・クールビズの着こなしをチェックしたい方
・薄着になる夏場でも相手に不快感を与えない着こなしがしたい方
・旦那さんや彼氏のクールビズファッションが気になる方

クールビズとは

まずは、そもそもクールビズとは何なのかというのをおさらいしてみましょう。

クールビズは環境対策を目的として環境省が中心に行ってきた衣服の軽装化やその方針に沿った服装を指します。
小泉内閣において環境大臣を務めた小池百合子氏が2005年に軽装による冷房節約のための呼びかけとして始めました。

日本気象協会が公開している統計によると、社会人におけるクールビズの認知度は2017年時点で98.3%と、かなり世間に浸透していることがわかります。

なお、クールビズという名称は2005年4月の一般公募で選ばれたものです。
「涼しい」だけでなく「かっこいい」という意味のある「クール」と、「ビジネス」の略語である「ビズ」を組み合わせた造語ですが、一歩間違えると「かっこいい」からはかけ離れた着こなしとなってしまいます。

導入当初はどのような着こなしが正解なのか、ファッション業界も含めて定まっていなかった面もあるようで、半袖ジャケットなんかもあったようですね。
導入から15年以上が経過した現在では、アイテム選びの正解などがある程度定まっていると考えられます。

クールビズでの注意点

クールビズにおいては、スーツスタイル以上に着こなしに配慮が必要となります。
その理由は、薄着で無防備な服装になるため、一つ一つのアイテム選びのNGが目につくためです。

スーツスタイルであればジャケットに隠れてそれほど気にならなかったシャツやベルトのデザイン、また体型までが前面に出てきます。
そのため、「ベルトボロボロやな」とか「シャツのデザインが」とか、他人の目が届きやすくなります。

日本気象協会が公開しているアンケートによると、クールビズに対するデメリットの1位は「デメリットはない」であるものの、2位に「見た目のだらしなさ」があがっています。

たとえ高級なシャツやベルトであってもデザインを間違えればビジネスシーンでは浮いてしまうので、以下ではそれぞれのアイテム選びの注意点を解説していきます。

アイテム選び

どのアイテムもヨレヨレ、ボロボロは厳禁

まずどのアイテムにも共通する点として「ヨレヨレ」、「ボロボロ」のものを使い続けることは絶対NGです。
靴やカバンは手入れをすれば長く使いつづけられますが、シャツやベルトなどは消耗品と考え、定期的に買い替えるべきでしょう。

もっとも目に付くシャツがヨレヨレだったり、黄ばみが目立ったりすれば、その他のアイテムがどんなに洗練されたものでも台無しです。
しっかりとアイロンをかけておくのも重要ですね。

ベルトもクールビズスタイルでは目につきやすいです。
ボロボロで革もはげたようなものを使っている方は即刻買い替えましょう。

シャツ

襟の形状やデザイン

クールビズはノーネクタイのため、スーツスタイルと同じシャツを使い回すのはNGです。

スーツスタイルで使用されるシャツの多くは「レギュラーカラー」と呼ばれるデザインで、ネクタイをつけることを前提に作られたシャツです。
ネクタイすることが前提のシャツにネクタイをつけず、第一ボタンを外してしまうと、襟のおさまりがよくありません。
特に、襟の幅が大きくしっかりとした作りのものであれば、第一ボタンを外した際に襟の重みで形が崩れてしまうこともあります。

クールビズでは「ワイドカラー」や「カッタウェイ(ホリゾンタル)」と呼ばれる襟の角度の広いものを選びましょう。
ネクタイをせずに第一ボタンをあけることを想定してデザインされたものなので、クールビズスタイルでも襟のおさまりが非常にきれいになります。

今はノーアイロンで着れたり、アイロンするとしても軽くでよかったり、使い勝手のいいシャツもたくさん展開されています。
スーツスタイルと同じシャツしか持っていないという方は、ぜひチェックしてみてください。

半袖シャツは要注意

クールビズだと半袖シャツを着用される方も多いかと思います。
ですが半袖のシャツは肌の露出が多くなるため幼稚な印象を受けるとともに、ふとした時に袖から脇毛が見える危険性もあります。

ロア
ロア

脇毛が見えるはかなり不快な思いをさせてしまうので要注意です。

たとえクールビズであっても、長袖のシャツを選び、袖は袖口(カフス)の幅に合わせて二回ほど折って着るのがおすすめです。
肘まで見えてしまうと肌の露出が多すぎますので、折るのは二回ほど、ヒジが隠れる長さがよいでしょう。
長袖シャツであれば、急遽ネクタイをつけることになっても、半袖シャツほどの違和感はありません。

また、どうしても半袖シャツを着たい方は、袖の細いものを選ぶことをおすすめします。
同じ半袖シャツでも袖の形状でかなり印象が変わりますし、脇毛が見える危険性も減らすことができます。
今ではスーツ量販店などに袖の細い半袖シャツも多く販売されています。

シャツの色で見た目の印象は大きくかわります。

白いシャツは誰もが持っていて無難ですが、ジャケットなしで白シャツだと少しシンプルすぎる印象を受けます。

ロア
ロア

アンタッチャブルのザキヤマさんを思い浮かべてもらえればわかりやすいと思います。

おすすめは水色の無地、もしくは白地に青系の細いストライプの入ったもの。
暑い季節において水色は見た目にも涼しげな印象や清潔感を与えてくれますし、青系の細いストライプも清潔感や少し垢抜けた印象を与えてくれます。
ただしストライプの幅が太いものは少し派手でビジネスには不向きですので、ストライプの幅は要注意です。

なお、薄いピンク系のシャツを選ばれる方もおられますが、筆者としてはあまりおすすめしません。
というのも、ピンク系のシャツをビジネスシーンでおしゃれに着こなせる方は非常に限られていると感じるからです。
筆者のまわりでもピンク系のシャツを着られる方をお見かけしますが、「おしゃれに気を配ってるんやな」と思うものの、「おしゃれやな」とはあまり思いません。

ビジネスの服装は、ご自身の満足感よりも相手に与える印象を優先すべきです。
営業職の方などは、第一印象などが特に大事になってきますしね。
ピンク系のシャツを着たい方などは、試着時にご友人や奥様にも見ていただき、本当にお似合いと感じられるようであれば選ぶ、くらいがよいかもしれません。

ボタン、ステッチなどのデザイン

シャツが前面にでるクールビズですが、シャツのボタンやステッチ(縫い目)にデザイン性、遊び心を入れるのはNGです。

例えば白のシャツに黒いボタンであったり、黒い刺繍糸を使ったもの。
ジャケットがないためシャツで他の人と差別化を図りたいという方もおられるかもしれませんが、ビジネスシーンではあまりいい印象を受けません。

ロア
ロア

ビジネスシーンでそのようなシャツは「おしゃれだな」とは思われないはずです。

シャツのボタンやステッチは無難な白やシャツに馴染んだ色、主張のないものを選ぶことをおすすめします。
また、襟の裏地にチェックなどのデザインが入ったものも、ビジネスシーンではオシャレには見えませんし、デザイン性のないものを選ぶのが無難でしょう。

肌着

肌着のNGポイント

シャツの下に着る肌着でのNGは以下の2点。
この2点は目につきやすいため、がっかりする女性も多いようです。

  • 肌着が透けてる
  • シャツの襟や袖から肌着が見えてる

肌着がシャツから透けて見える方は非常に多いですよね。
半袖シャツが透けているならまだしも、タンクトップ(ランニング)が透けているケースも年配の方だと多いように思います。

また、シャツの襟や袖口から肌着が見えるケースもよく見かけます。
肌着が透けたりチラチラ見えるのは良い印象を与えません。
しっかりとしたシャツを着ていても肌着が見えてしまえば台無しです。

肌着が透けずに襟元からも見えないようにするにはベージュのVネックシャツがおすすめです。
クールビズ対応のベージュのVネックは様々なメーカーから販売されていますので、カンタンに手に入れることができます。
今だとグンゼのようなインナーウェアの大手が夏場に嬉しい吸汗速乾や抗菌防臭といったプラスアルファのある肌着を展開されていますので、チェックしてみてください。

パンツ、スラックス

スーツの使い回しはNG

スーツのパンツ(スラックス)をクールビズでも使うことは、着こなし的には問題ありません。
ただし、夏場は汗をかく量も多く、パンツだけ何度も洗濯やクリーニングを繰り返すことが予想されます。
その結果、キレイな状態のジャケットと色味や使用感で差が出てしまい、スーツスタイルが崩れてしまう恐れがあります。

そのため、スーツスタイルのパンツを使い回すのではなく、クールビズ用のパンツを2,3本用意するのがおすすめです。

パンツの色は黒を選びがちですが、真夏に黒のパンツは重く暑苦しい印象を受けるので避けるべきでしょう。
オススメはネイビーとグレーの二色。

ネイビーは黒に比べると涼しさや垢抜けた印象を与え、青系のシャツとも合わせやすいため、非常に使い勝手がいいですね。

グレーは様々な色味がありますが、明るめの色ではなく、ミディアムグレーと呼ばれるものなど、少し暗めの色味を選ぶのがよいでしょう。
ライトグレーと呼ばれる明るめの色味は、ビジネスシーンでの着こなしには合わせづらいです。
シャツも薄い色が基本のため、パンツも明るめの色になると全体的にぼやけてしまいますので、少し暗めの色を選んでバランスを取るべきでしょう。

ネイビーとミディアムグレーの2本があればどんなシャツにもバランスよく合わせられます。

デザイン

スーツスタイルでも同様ですが、現代では少し細めのデザインが主流。
最近のプライベートファッションでは太めのパンツが流行っていますが、ビジネスシーンでは細めのデザインを選ぶのが無難でしょう。

とはいえスキニージーンズのようにピチピチに履くのは当然NGです。
ご自身の体型にあった中で、細めのデザインを選択しましょう。

ベルト

デザイン

ベルトはビジネスシーンで一般的に使われる四角いシルバーのバックルのものを選びましょう。
一般的なベルトではベルト穴が5つあるので、中央の穴にピンを通すように長さをカットしましょう。
中央の穴にピンを通すことで、ベルトの長さがキレイに見えるとされています。

ベルト穴がなく自由に長さが調整できるものや、バックルの形が丸いものなどは避けましょう。
ベルトの長さを自由に調整できるものはおじさん感が出ますし、多少お腹が出てきても気付きづらいため、自己管理が甘くなってしまいます。
またバックルが丸いものなどはビジネスシーンには不似合いです。

ちなみにベルトの色はシューズの色と合わせるのが一般的。
ですので、例えば黒とブラウンの2色のシューズをお使いの方は、ベルトも2色を揃えておきましょう。

バックルループを使う

多くのパンツ(スラックス)にはバックルループと呼ばれる輪っかが付いています。
パンツのチャックのあたりに付いている小さな輪っかに見覚えのある方もおられるかと思いますが、「何のために付いてるの?」という方も多いのではないでしょうか。

あの輪っかは「バックルループ」と呼ばれるもので、ベルトのピンを通すために付いています。
ベルトのピンをバックルループに通すことで、ベルトとパンツがずれず、バックルが常に中央に位置します。
筆者も昔は「なにこれ?」と思っていましたが、使うようになってからはバックルループがないパンツを履くときにバックルがずれてないか気になってしまうようになりました。

バックルが左右にずれていたり、バックルループがベルトの下から顔を覗かせているのは不恰好ですので、バックルループがある場合は使うようにしましょう。

ベルトも通販サイトなどでかなりコスパの高い商品がたくさん展開されていますよね。
革が傷んでいるものは買い替えるべきですので、チェックしてみてください。

靴、靴下

靴は適度にフォーマルに

上半身がノージャケット、ノーネクタイであることを考えると、足元はある程度フォーマルな靴を選び、バランスを取りたいものです。
ローファーなどはジャケパンスタイルなどにはよく合いますが、クールビズスタイルでは全体がラフすぎる印象になります。

ストレートチップやプレーントゥなど、ある程度のフォーマル感をもった靴を選べば、急遽、顧客に会うことになったとしても悪い印象はもたれないでしょう。

革靴の種類については以下の記事でくわしく紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

くるぶしソックスや素足はNG

クールビズだからといって足元もくるぶしソックスや素足に革靴を合わせる方を見かけますが、足元クールビズはNGです。
もし全身の着こなしが良くても、足元がくるぶしソックスだと台無しです。
普段のスーツスタイルと同じようなソックスを選びましょう。

なお、靴下の色はパンツ(スラックス)か靴のいずれかの色と合わせるようにしましょう。
スラックスも靴下も靴も異なる色だと統一感がなく、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。

靴下も吸汗速乾、防臭効果があるものが展開されていますので、汗を大量にかく夏場はこのようなものを選びたいですね。

カバン

夏場は大量に汗をかくことを考えると、リュックやショルダーバッグはおすすめしません。
肩にかけるカバンは、肩ひもに沿った汗染みがシャツに目立ってしまいます。
少し時間がたてば乾くかもしれませんが、汗染みが滲んだシャツで顧客に会うのは不恰好ですよね。

ビジネスシーンでも若い方を中心にリュックを選ぶ方が増えていますが、汗を大量にかく夏場は手持ちのビジネスバッグを選ぶのが無難でしょう。

腕時計

クールビズでは腕がよく見えるため、スーツスタイルに比べて腕時計が人目につきやすくなります。
そのため、チープすぎる腕時計やスポーツウォッチをつけているとがっかりされるかもしれません。

決して高価なものでなくていいですが、社会人らしい腕時計をつけておくべきでしょう。
ベルトはレザーかメタルで、ケースはメタルの派手すぎないものがよいでしょう。

通販サイトでもおしゃれで洗練された腕時計を1万円前後で購入できるので、この機会に検討されてはいかがでしょうか。

購入の優先順位

ここまで7つのアイテムについて解説してきましたが、「一度に全部そろえるなんてムリ!」、「何から買っていいかわからない」という方もおられるかもしれません。
そんな方は以下の優先順位で購入していくのがいいかと思います。

  1. シャツ
  2. 肌着
  3. ベルト
  4. パンツ(スラックス)
  5. 腕時計
  6. カバン
  7. 靴、靴下

シャツはもっとも目につきますし、スーツのときとは異なるデザインのものが必要ですので、真っ先に購入すべきで
その下に着る肌着も、透けたり襟口からチラッと見えるのは不恰好なので、早めに購入しておきたいですね。
ベルトもスーツスタイルのときよりも目に入りやすいので、お持ちのものに使用感が見られるようなら優先的に購入しましょう。

パンツ(スラックス)以降は、スーツスタイルのときと同じアイテムでも見栄え的に大きな問題はないため、優先順位は低めとなっていきます。

できれば体型も整えたい

クールビズではスーツスタイルより薄着になり、ボディラインが出やすいため、できれば体型も整えたいものです。
ベルトをするため体型をごまかしづらく、若い方でも油断していると「結構お腹でてるな」と思われることも。

全身の着こなしを整えても体型で損をすると残念ですよね。
せっかく着こなしにこだわるのであれば、お腹が出ずに、少し胸板が張っているくらいの体型を目指してはどうでしょうか。
若いのにお腹が出ていたりすると「自己管理ができない人なのかな?」と思われる恐れもありますしね。

おわりに

ここまでクールビズにおける着こなしやアイテム選びを解説してきましたが、クールビズスタイルは一つ一つのアイテムで相手に与える印象が大きく変わります。
アイテム選びを誤ると「だらしないなぁ」とか「こいつお客さんに会う気あるんか?」といったふうに見られるかもしれません。

もしこれからクールビズ用のアイテムを新調しようとお考えの方は、せっかくならこだわったアイテム選びをしてみてはいかがでしょうか。
「おしゃれには興味ないから」とかではなく、ビジネスマナーとして整えてみてもよいのではないでしょうか。

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