そもそもなぜ人はコーヒーを飲むようになったのか。コーヒーの歴史と三つの伝説。

コーヒー
Pocket

筆者は毎日コーヒーを飲みます。

いつのまにか毎日飲むようになりましたが、初めて飲んだ時に「なんだこれは!うまい!」と思った人なんていないんじゃないでしょうか。

たいていの人が「なにこれっ!にっが!」と思ったはず。
子どものころに親が毎日飲んでるのを少し頂戴して「まずっ!大人ってこんなん飲んでんの⁉︎」と思った記憶のある方も多いのでは。

そして気になったのがコーヒー豆を焙煎、抽出するといった面倒なやり方で作られ、たいていの人が最初口にした時は「おいしくない」と感じるであろうコーヒーがなぜ生まれ、世界中の人に愛されているのかという素朴な疑問。

ということでコーヒーが生まれ、世界中で飲まれるようになった歴史を少し調べ、一部想像を膨らませてみました。

初めて飲んだ時、おいしいと思った?

コーヒーを初めて飲んだときの記憶はあるでしょうか。

「おれは初めて飲んだ時からおいしいと思ったよ」とか言う人がいたら信用できませんよね。
決して「マジっすか!めっちゃ渋いっすね!」とはならないでしょう。

ロア
ロア

嘘つくなよ。どこでかっこつけてんねんって感じよね。

筆者は幼少期に親のコーヒーを口にし、「まずい」と思った記憶があります。
その記憶が初めて口にしたときかはわかりませんが、確実に「まずい」と思った覚えがあります。

それから時間を経て、高校生くらいになっても「微糖なら飲める」くらいだったかと思います。

この話をしていると、大学のときにBOSSのレインボー缶を好んで飲んでた友人を思い出してしまいます。
「これめちゃくちゃうまいよな」と言われたことをよく覚えてますが、甘みたっぷりのレインボー缶をめちゃくちゃうまいと言われてもなんと返していいものかわかりませんでしたし、あそこまで甘いとコーヒーではないような気もします。

ただ初めからブラックで飲める人ははやり少数派なのではないでしょうか。

最初は小学生や中学生のころ、パックにでかでかと「コーヒー」と書かれた雪印コーヒーを飲み「これがコーヒーかぁ」、「おれ、コーヒー飲んでる」とか勘違いをしながら、徐々に缶コーヒーの微糖を口にするようになり、気づけばブラックコーヒーを飲んでいる、そんな方が多いのではないでしょうか。

ロア
ロア

雪印コーヒーはみんな通る道じゃない?

筆者自身、いつからブラックコーヒーを好んで飲むようになったか、全く覚えていませんが、今ではインスタントのカフェオレなんかを飲むと甘すぎて少し気持ち悪くなってしまうくらい、ブラックコーヒーの舌になっています。

ビジネスの場などでも当然のようにコーヒーが出されますよね。
あれって、コーヒーが苦手な人はどうしてるんですかね。
絶対に苦手な人もいるはずですよね。
そもそも初めて飲んだ時に誰もおいしいなんて思わないはずの飲み物を当然のように出すってどうなんですかね。

ロア
ロア

砂糖とフレッシュあればお前らコーヒーくらい飲めるやろってことでしょうか。

コーヒーが苦手な人は苦労が多そうな気がしますね。

最初はみんな無理して飲みはじめるのでは

コーヒーはどこでなぜ生まれたのか

コーヒーができるまで

ご存知の方も多いでしょうが、コーヒーの実はコーヒーの木にできます。
コーヒーの木は観葉植物としても人気で、我が家にもぐんぐん成長してるやつがいます。

コーヒー農園なんかを見ると人の背よりも高いコーヒーの木にたくさんの赤い実がなっています。
これがコーヒーの実ですが、実際にコーヒー豆として利用されるのはこの中の種子の部分です。

コーヒーの実は水洗処理や天日干しで果実の部分が取り除かれ、中の種子だけが取り出されます。
そしてその種子を乾燥機や天日干しでさらに乾燥させ、皮をおとしたものが焙煎に用いられる生豆です。

私は自家焙煎をするため生豆をよく購入しますが、緑色で青臭く、知らなければコーヒー豆と気づかないでしょう。

その生豆を焙煎することで、ようやく普段見慣れている濃い茶色のコーヒー豆になります。

そこからコーヒーを抽出してくわけですが「よくそこまでたどり着いたな!」と驚きます。
というかここまでの面倒な工程を経て飲んだ抽出液が「にがっ」ってなったらもうやらなくないですか。

伝説1.羊飼いカルディ

コーヒーの歴史にはいくつかの伝説があります。

一つ目は羊飼いカルディにまつわる話。
カルディと聞くとコーヒーショップを思い出す方も多いのでは。
お店の名前はこの伝説からきているようです。

エチオピアの羊飼いカルディが夜になっても興奮状態にある羊を不思議に思い観察すると、赤い実を食べていたことが原因だったようです。
そしてカルディ自身もその実を食べると元気が溢れ、気分爽快になったとのこと。
もちろん、その実がコーヒーの実ということです。

その話を聞いた修道僧が実を持ち帰り食べたところ、夜中の修行で眠気と戦う修道僧たちにとっても効果抜群。

やがてその噂が広がり、遠方からもその実を求めて人が押し寄せるようになったとか。
ちなみにこの話は詳細な時代が不明なようです。

コーヒーに含まれるカフェインの効能を物語る話ですが、ちょっと怖くないですか。
得体が知れないけど気分爽快で眠気がなくなるからみんな欲しがるなんて聞くとつっこみたくなります。

ロア
ロア

それあかんやつやろ!って言ってしまいそう。

コーヒーで良かったね。

伝説2.イスラム教徒シーク・オマール

二つ目はイスラム教徒シーク・オマールにまつわる話。
舞台は13世紀のアラビアのモカ(現在のイエメン)です。

当時この地では伝染病が流行し、オマールは祈祷師として多くの人を救っていました。
そんな中、モカの王女が彼の噂を聞きつけ、伝染病の治療に訪れた際、オマールは彼女の病を完治させたとき、王女に恋心を抱いてしまったようです。

そして王女に結婚を申し出ますが、これに王が激怒、オマールはオウサブという地に追放されてしまいました。

ロア
ロア

王女の病を治したのに追放ってひどいですね。

この地で空腹と戦ったオマールは美しい鳥が食べる赤い実を食べるようになり、その後、スープのように煮出して口にするようになったということです。
これが現在のコーヒーの起源といわれています。

ちなみにこの方法だとコーヒーの実を直接お湯にかけるということですよね。

ロア
ロア

コーヒーの実を直接煮出して美味しいんかな。

伝説3.イスラム教師シーク・ゲマレディン

三つ目の伝説はイエメンの首都アデンのイスラム教師シーク・ゲマレディンにまつわるもの。
時代は15世紀です。

ゲマレディン自身は、エチオピアを旅した際にコーヒーの存在を知ったようです。
エチオピアには赤い実を煮出して飲んでいる人々がいることを知りました。

その後、帰国後に体調不良に陥ったゲマレディンは、エチオピアの赤い実のことを思い出し、エチオピアから取り寄せて飲んでみると、体調が回復した上に眠気もなくなったということです。

そしてその効果を修道僧たちにも伝え、その後、多くの人々に広がったということです。

ロア
ロア

三つの伝説の中でこの方だけは自分でコーヒーを発見してないんですよね。世界に広めたという意味で伝説になってるんでしょうか。

三つの伝説をまとめると

以上の三つの伝説をみてみると、いずれもコーヒーの実を加工せずにそのまま利用しており、現代のコーヒーの味わい方とは全く違いますね。
ただし、飲み物としてのコーヒーはこの時点で誕生していることになります。

そして体調の回復、気分爽快、眠気スッキリといった、カフェインの効果を目的として広まっていった点はいずれの話にも共通していますね。
数百年前でも眠気に悩まされる人は多かったようです。

焙煎はいつから始まったのか

ここまでの話だと、先に述べた「コーヒー豆の焙煎までの工程」がまだ出てきません。
前述の中世の話ではコーヒーの実をそのまま煮出しているだけです。

はじめに申し上げると、焙煎の歴史を様々調べてみましたが、確実な起源は不確かなようです。

色々な情報から見るとコーヒー豆の焙煎が始まったのは13世紀ごろ、事故でコーヒー豆が焼けたことが発端のようですが、詳細はわかりませんでした。
火事かなにかでしょうか。

今までコーヒーの実や生豆を薬のように使っていた人からしたら驚きじゃないでしょうか。

ロア
ロア

めっちゃええ匂いするやんって思ったんじゃない?

ご自身で焙煎された経験のある方はご存知と思いますが、焙煎で火にかけたばかりって一番コーヒーの香りが広がり(場合によっては2,3日部屋からコーヒーの匂いが消えませんが)、最高に香ばしいです。
それが偶然わかったとなれば「この香りたまらん」ってなるでしょう。

とにもかくにもコーヒーの焙煎が13世紀ごろに始まったとなれば、800年近くは今のようなコーヒーの楽しみ方が続いているということになります。
途絶えることなく、愛され続ける。すごいですね。

コーヒー豆は焙煎されてこそ美しく香ばしいですね

昔の人は美味しいと思ったのか

中世のコーヒーの歴史を調べてみると、コーヒーの魅力として「味」よりも「香り」、「風味」が記されていることが多いです。

「その味に魅了されて」みたいな表現は出てこないんですよね。

確かにコーヒーの魅力は焙煎する時、淹れる時、飲む時、いずれのタイミングでも感じられる香ばしい香り。

でも味も当然美味しくなければ世界中で愛されないでしょうし、800年もの間、途絶えないなんてありえなくないですか。
なのにコーヒーの歴史をみると「味」に関する記述があまりなく、「結局昔の人も美味しいとは思わなかったんでしょ」とか無粋なことを考えてしまいます。

ロア
ロア

当時は今みたいに美味しい飲み物に溢れてたわけではないので、やはりその味も愛されてたんですかね。

おわりに

本稿ではコーヒーの誕生に至る三つの伝説などを紹介しましたが、コーヒーに含まれるカフェインの効果に頼るところは昔も今も変わっていないようですね。

ただし、コーヒーの歴史を知ることで、これからのコーヒーの楽しみ方も変わってくるかもしれません。
本稿を読んで、例えば「自分で焙煎してみよう」、「コーヒー豆もスーパーのものばかりじゃなくこだわってみよう」というふうに思ってくださる方がお一人でもおられれば幸いです。







Pocket

タイトルとURLをコピーしました