父親から見た保育園、幼稚園の選び方。決め手はその子にあった園。

子育て
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私の妻は保育士の仕事をしており、これまで5つの幼稚園や保育園で勤めてきました。
結婚して以降は、パートでの勤務を続けています。
私も2人の子どもがいるため、2つの保育園で行事や子どもたちの活動を見てきました。

妻の話を聞いたり子どもの保育園の様子を見ていると、保育園や幼稚園は園によって「こんなにやることが違うんだな」と感じます。

その分、子どもにあった園を選んであげないとその子のいいところが伸びないですし、あわない園に通わせると子どもの自尊心が傷つけてしまう恐れもあります。

我々夫婦は妻が保育士をしていることもあり、子どもの保育園選びにはかなり迷い、知り合いから情報収集をしては「あそこの園はこんなこともしてくれるみたい」、「あの園の先生はこんな感じらしい」となかなか決められなかったことを覚えています。

ロア
ロア

保育士の不足が叫ばれる昨今、保育園を選べるのは幸せなことかもしれませんが。

結論を先に申し上げると『「その子がどんな子か」をしっかり見て通わせる園を選んであげて』と感じています。

以下ではこれまで子どもの成長に合わせて6年間、子どもを保育園に通わせてきた筆者が、子どもの通った園の特色などを事例に父親目線での保育園の選び方を紹介します。
今後お子さんを保育園や幼稚園に入れる予定のある親御さんだけでなく、保育士、幼稚園の先生の仕事を目指している学生さんにも参考になれば幸いです。

□本稿の対象読者
・子どもを通わせる園を選ぶのに迷っている方
・子どもにあった園を選んであげたいとお考えの方
・保育士や幼稚園の先生を目指されている学生さん

園の色と先生の能力

ご近所さんとお付き合いのある方だと、「あそこの園はゆるい」とか「あそこの先生は怖い」といった噂話でそれぞれの園の特徴を耳にすることもあるかと思います。
実際に私も長女の保育園を決める際、いくつかの園の情報を知り合いから集めて決めました。
保育園や幼稚園は、本当に園ごとに方針ややることのレベルがバラバラです。

完成度と人間性のバランス

私の印象としては、行事などをしっかり取り組んでいる園は、保育士や先生の統率能力は高いように思います。
園自体の目指すところが高いため、先生自体のレベルも当然高いということです。

ロア
ロア

2年目くらいの先生でもしっかりしていて、社会人として純粋に尊敬できるレベルのところもあります。

ただし、それは行事を完遂する能力や、子どもたちをまとめる能力であり、豊かな人間性を育むこととは別と感じています。
例とすれば、運動会や発表会などで完成度の高いものを作り上げることを目的とする園だと、できる子ばかりが主役になり、その他の子は年少でも年中でも年長でも目立たない役回りばかりさせられるといったケースを目にしてきています。
できない子は「どうせ頑張っても」という気持ちになるでしょうし、保護者も不満を抱くでしょう。

ロア
ロア

行事の完成度は「すげぇ」って思いますが、驚くくらい同じ子ばかりが優遇されているのを見たことがありますよ。

特に、幼児は月齢による能力差が大きいため、早生まれの子が損をすることが多いようです。
月齢の早い子に比べてできないというだけで、月齢の遅い子が先生から冷たい対応を取られるケースもあるようです。
このようなことは、自分の子どもが月齢が早くて比較的できる子だったり、行事で自分の子どもにしか注目していなかったりすると、なかなか気づきにくいと思います。

人間性を育む

反対に、行事などで高い完成度を目標とせず、みんなでやり遂げることを目標とする園は、保護者が目を見張る出来ではないかもしれませんが、協力したり努力したりといった人間性を育むことができるかもしれません。
先生も高い完成度がノルマではないため、プレッシャーが少なく、その反面、最初はできなかった子も含めてみんなでやり遂げた時の感動は大きいでしょう。

ロア妻
ロア妻

子どもたちも発達に遅れや障害を持つ子を認識した上で、助け合おうとする行動が多くみられました。

ここで紹介した2例は両極端な例かもしれませんが、前者は先生としての高い技術レベルが求められ、後者は穏やかな人間性が求められると考えてよいのではないでしょうか。
保護者側の理想を申し上げると、どちらも高いレベルで有しておいてほしい能力です。

運動系は特に園ごとの差が大きいように感じます。

子どもへの影響

では、それぞれのケースで子どもたちへの影響はどうなのでしょうか。

子どもへのストレス

行事などで高い完成度を求める上記の例では、行事が近づくと先生もピリピリとしているように感じます。
園の方針として完璧を求められる場合、先生が神経質になっているのを子どもも感じ取るようです。
そして行事の練習が厳しい園では、なかなかできない子が「保育園を休みたい」と言ったり、ストレスから体調を崩したりといったケースも耳にします。
行事を達成したときには高い満足度や能力の向上も期待できますが、のびのびとストレスなしに育つというのは難しいようです。

親が感じる不完全燃焼感

一方、完成度ではなく、「みんなでやり遂げる」ことを目標とする園ではどうでしょうか。
子どもたちは前者に比べるとストレスが少なく、またみんなでやり遂げるという意味では、こちらも達成感は得られると思います。
ただし、保護者から見ると「もっといろいろやらせてあげてほしい」とか「小学校に行ったら大丈夫かな」といった不安を覚えるかもしれません。
実際に私のまわりでも、小学生にあがって「自分だけ逆上がりができない」とかで悩まれている親子を見かけます。
ストレスが少なくのびのびできる分、前者のような園の子どもに比べると、経験値や能力で遅れをとるのは仕方ないのかもしれません。

子どもにはのびのび育ってほしいけど、ゆるすぎるのも…とかいろいろ考えてしまいます。

「どんな子に育ってほしいか」ではなく「どんな子か」

ここまで対照的な事例で紹介してきましたが、子どもが通う園を決めるのは親です。
そして子どもたちは、平日の多くの時間を親が決めた園で過ごすことになります。
また、どのような園に通うかで、子どもの能力的、精神的な成長に大きな違いが出ることは明らかです。

のびのびと、先生と仲良く過ごしたい子を厳しい園に通わせると、自尊心が失われるかもしれません。
また、運動が得意でいろいろなことにチャレンジしたい子や、やんちゃな子をゆるい園に通わせるとエネルギーがあり余り、成長のチャンスを失ってしまうかもしれません。

私は親が「こんな子に育ってほしい」という思いで園を決めるのは親のエゴじゃないかと思っています。
私自身、長女の保育園を選ぶ際に「あそこの園はこんなこともしてくれるからいいんじゃない?」といったことを妻と話したことを記憶しています。
親としては子どもにいろいろなことをやってほしくて、先生や園の雰囲気は二の次になっていたことを反省しています。

それよりも自分の子どもが「どんな子か」にしっかり目を当て、その子に合った園を選ぶことが重要と思います。
通わせてみてどうしても子どもと合わない園であれば、早いうちに転園も検討すべきでしょう。
できる子をゆるい園に通わせている場合はまだ良いですが、行事などについていけない子を無理にレベルの高い園に通わせ続けるのは、その子の自尊心をひどく傷つけてしまう恐れがあります。

なお、子どもに園の感想を聞いて判断しても良いですが、子どもの言う「たのしい!」とかはアテにならないと思っているので、親御さん自身が園の様子をこまめに見ることをオススメします。

ロア
ロア

小さい子どもに「どうだった?」って聞くとたいてい「たのしかった」と答えますからね。

おわりに

妻やご近所さんの話を聞いていると、本当に素晴らしい園って稀なんだなと感じます。
何かが優れていても何かが欠けていたり、「あの先生はすごく良い人」と思っても園全体はいまいちだったり。
本当に保育園や幼稚園を選ぶのって難しいと思います。

子どもがどんな子かをしっかり理解し、プレ保育などに参加して園の雰囲気を見て選択するのも良いと思います。
英語教室があるとか、体育教室をしてくれるなど、親としては園ごとにやっていることがバラバラなため迷いますが、子どもに合った園をぜひ選んであげてほしいです。

今は待機児童の多い自治体もたくさんあるため、保育園を選ぶというのは贅沢なことかもしれませんが、子どもの人生にとって非常に重要な場であることは間違いないため、選ぶことのできる親御さんは十分な情報を集め、慎重に選んであげるべきでしょう。
園のパンフレットなどは良い面しか書いていないことが多いので、知り合いやインターネットから生の声を聞くことをおすすめします。







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