【レビュー】ナツカのおばけ事件簿のオススメ作品や対象年齢は?

子育て
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小学生のお子さんがいるご家庭であれば、お子さんから「ナツカのおばけ事件簿」という本を聞いたことのある方もおられるでしょうか。

「ナツカのおばけ事件簿」は小学生向けの児童書として20年以上続く人気作品。
読者と同じ小学生の女の子がお父さんと協力し、仕事としておばけ退治を頑張るという作品。
小学校中学年の我が家の娘も夢中になり、ここ2ヶ月ほどで一気に全巻(2022年6月現在18作品)を読破してしまうほどでした。

この記事では、「ナツカのおばけ事件簿」の魅力や対象年齢、オススメ作品などを紹介しています。
お子さんが「ナツカのおばけ事件簿」に興味をお持ちの方、お子さんの夢中になれる児童書をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。

この記事の対象読者

・お子さんが「ナツカのおばけ事件簿」に興味をお持ちのご家庭
・ホラー作品に興味をお持ちのお子さん
・子どもが夢中になれる児童書をお探しの親御さん

ナツカのおばけ事件簿とは

1999年から続くシリーズ作品

「ナツカのおばけ事件簿」は、第一作「メリーさんの電話」が1999年に出版されてから、2022年現在も続くシリーズ作品です。
2020年に出版された最新作「フラワーショップの亡霊」まで、18作品が発売されています。

20年以上も出版され続けるシリーズ作品ということから、多くの子どもたちに支持されている作品というのがわかりますね。

作者は様々な児童文学賞を受賞した斉藤洋さん

作者の斉藤 洋(さいとう ひろし)さんは、1986年に児童文学作家としてデビューした大ベテラン。

1986年のデビュー作の「ルドルフとイッパイアッテナ」が講談社児童文学新人賞を受賞。
1988年には続編の「ルドルフともだちひとりだち」も野間児童文芸新人賞を受賞。
1991年には一連の作品で路傍の石幼少年文学賞を受賞し、2013年には「ルドルフとスノーホワイト」が野間児童文芸賞を受賞するなど、様々な受賞歴をお持ちの児童作家です。

「ルドルフとイッパイアッテナシリーズ」の他にも、「なん者ひなた丸シリーズ」や「ペンギンたんけんたいシリーズ 」など、シリーズ作品を多く手がけられています。

ちなみにイラストはかたおかまなみさんというイラストレーターの方が担当されています。
女の子の絵がかわいらしく、衣装などもとてもかわいく描かれています。
我が家の娘も「この服かわいい!」など、かたおかさんのイラストが作品にハマる魅力の一部となっています。

主人公は小学生のナツカとそのお父さん

主人公は小学生の女の子ナツカとそのお父さん。

ナツカはかわいくて頭が良く、勇気や行動力もあるすごく魅力的な女の子。
お父さんは離婚し、世界的デザイナーである元妻からの仕送りで生活する頼りない男性。

なかなか定職につかないお父さんのために「ゴーストバスター」の仕事を提案し、ナツカとお父さんがおばけ退治をしていくというストーリーです。
おばけ退治に加え、探偵もののように推理を楽しむ物語が読者である子どもたちを引き込みます。

実際に私も読んでみて、行動力があり魅力的なナツカと、ホラーチックでドキドキする物語に引き込まれ、続きが読んでしまいたくなる面白さがありました。
普段は頼りないお父さんも、おばけ退治の仕事となると勇敢さと頭のよさを発揮して、頼れるパパとして描かれています。

ちなみに我が家の娘によると、ナツカの衣装もかわいくて魅力的とのこと。
お母さんが世界的デザイナーという設定から、ナツカの服装はとてもかわいらしいものが多く、外国に行った際にあえて着物をまとうなど、非常に魅力的に描かれています。

対象年齢は小学校低学年から高学年

対象年齢は小学校低学年から高学年まで、幅広く楽しめる印象です。
漢字には基本的にふりがなが付いていますが、1年生で習う漢字はふりがなが付いていないことも。
そのため、園児さんが一人で読むには少し厳しいかもしれませんね。

イラストも多く、文章量的には読書慣れしていないお子さんでもそこまでハードルは高くないかなと思います。
文章量の多いページはマンガのようにコマ割りされていて、読書好きなお子さんならスラスラ読めてしまえます。

文章量が多いページはマンガのようにコマ割りされています

ただし、結構ドキドキハラハラのホラー感がありますので、高学年のお子さんでも十分楽しめると感じます。
例えば1巻の「メリーさんの電話」では、おばけ(人形)からの電話が少しづつ家に近づいてくるなど、大人でもドキドキする展開が楽しめます。

ちなみに1冊には3つのお話が収録されていますが、1つ目のお話は導入のための小話的なものがほとんどです。
おばけ退治とはあまり関係のないお話なんかもときどき描かれています。

子どもが夢中になる理由

ここからは、読者の子どもたちが「ナツカのおばけ事件簿」にハマる要因を解説していきます。
我が家の長女も2ヶ月あまりでシリーズを読破してしまうほどハマったのは、こんなところが魅力だったようです。

はじめてのホラー作品にドキドキハラハラ

小学生であれば、まだホラー作品に触れていないお子さんも多いかなと思います。
「ナツカのおばけ事件簿」はストーリー、イラストともに、まさにホラーという感じで、子どもにとっては新鮮でドキドキする世界のようです。

作品のなかではナツカたちにおばけが襲いかかってくるシーン(ナツカの妄想であることも多いのですが)なんかも結構あり、迫力あるイラストで描かれています。
ストーリーも怖さが少しづつ増していく、近づいてくるという感じのドキドキ感があり、怖いものが苦手なお子さんでない限り、その世界観に没頭してしまう印象です。

ちなみにどのお話もスピーディーに進んでいくので、前置きが長かったりして子どもが飽きるようなこともありません。
早い展開で謎がとけていくので、子どもにとってはとても読みやすいのではないでしょうか。

ナツカと一緒に推理を楽しめる

「ナツカのおばけ事件簿」はタイトルのとおり、おばけ退治をしていくストーリーですが、推理モノの要素もあります。

頭のいい少女ナツカが、お父さんと一緒におばけがどんな行動をとるかなどを考えながら、おばけ退治の方法を考えていきます。
おばけの行動を推理したりしながら作戦をたてていくのは、読者である子どもも一緒に考えながら楽しめるようです。
我が家の娘も「こうやと思ったけど違うかったわぁ笑」と、考えながら読み進めるのを楽しんでるみたいです。

ちなみにもう少しマイルドな、優しい推理モノがいいというお子さんであれば「ミルキー杉山のあなたも名探偵シリーズ」がオススメ。
本作は、妻と別居して2人の子どもと暮らす探偵ミルキー杉山が、街で起こる様々な事件を解決していくというもの。
「ナツカのおばけ事件簿」よりさらに長い30年も続く人気作品ですので、気になる方は以下の記事をチェックしてみてください。

仕事でお金を稼ぐことの勉強にも!?

「ナツカのおばけ事件簿」では、事件後に「ナツカのおばけ帳簿」という、収支を記載した帳簿を見ることができます。
ここでは「パパのとりぶん」や「ナツカのとりぶん」なども記されていて、仕事をしてお金を稼ぐということを楽しみながら学べます。

海外での仕事で報酬10万円と思ったら10万ユーロだったことも

また、読み進めると依頼者によって金額にかなり差があったり、何百万円というお金が貯まっていくのも面白いです。
物語の途中では、おばけ退治の報酬でお父さんが中古マンション(自宅兼事務所)を購入するほどになります。
「人命救助なのでお金はいらない」なんて回もあります。

我が家の娘も「報酬が10万円やと思ったら10万ユーロやってん!」と、お金を稼ぐことや普段扱わない桁の大きさなどに興奮気味。
自分たちと同世代のナツカが、自分で考えた仕事をお父さんと頑張ってお金を稼ぐというのは、読者の子どもたちにとっていい刺激になるかもしれませんね。

ストーリー序盤では生活費の支出も見れて案外面白いです

おすすめ作品紹介

ここではこれまでに発売されている18作品のなかから、おすすめの作品を紹介していきます。
どちらかというと「この作品怖かった」というホラー重視で5作品を選んでみましたので、ちょっと怖い作品を見てみたいというお子さんに選んであげてみてはいかがでしょうか。

メリーさんの電話

最初にオススメするのはシリーズ第1作、「メリーさんの電話」。

シリーズ最初の作品ということで、なぜナツカがお父さんとおばけ退治をすることになったのか、あたりから読むことができます。
シリーズの背景を知っておくためにぜひ読んでおきたい一冊ですね。

またお話自体もドキドキハラハラが味わえて面白いです。
手違いで処分してしまった人形から毎日のように電話がかかってくるというもので、読者の子どもたちも「おもちゃを大切にしよう」と感じるかも。
お子さんがハマるかどうか、まずはこの一冊から読んでみてください。

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とりつかれたバレリーナ

次に紹介するのはシリーズ11作目、「とりつかれたバレリーナ」。

バレエ団のプリマドンナの様子がおかしい、いつも練習後に自宅にまっすぐ帰っていないみたい、という相談から物語がはじまります。
プリマドンナ自体も、練習後の記憶がないといい、だんだんとやつれて元気がなくなっていく様子。

練習後に歩いていく方向から、どこに向かっているかをナツカのパパが推理し、解決に導きます。
現場では監視カメラには映るけどどこにも姿が見えない男性が出てきたり、おばけのようにやつれたプリマドンナが急に出てきたりと、ドキドキのホラー感が楽しめます。

テーマパークの黒髪人形

我が家の娘が「これ怖いからパパも読んでみて!」と言ったシリーズ13作目「テーマパークの黒髪人形」。

田舎のテーマパークで小学生の子どもを驚かせるおばけが出るとの依頼で現地に向かったナツカとお父さん。
おばけを出すためにナツカがおとりになってメリーゴーランドに乗り込むと、前の座席におばけが現れてナツカに抱きつき「楽しい?」と聞いてきます。
あまりの驚きにメリーゴーランドから飛び降りるナツカですが、おばけは子どもにしか見えずお父さんも助けることができません。

その後もジェットコースターを降りようとすると座席の下からナツカの服をつかんで「おもしろかった?」と聞いてきたりとかなりの迫力。
最終的にはおばけがなぜそんなことをするのか、しっかりと話を聞くことができ、解決に至りますが、シリーズのなかでもとても怖い部類に入る作品かと思います。

むらさき色の悪夢

4つ目に紹介するのはシリーズ14作目「むらさき色の悪夢」。
この作品も我が家の娘が「これ怖かった」と言った作品です。

舞台となるのはシリーズ最初の作品「メリーさんの電話」に収録されているお話に登場した「トイレの花子さん」が出る女子校のトイレ。
以前に花子さんを退治してもらったのにまた奇妙なことが起きているという校長先生からの依頼でトイレに向かったナツカたち。
なんとトイレの個室に「むらさきばばあ」というおばけが出るとのこと。

女子トイレということでナツカが率先して個室に入ると、壁から手が出てきてナツカの首をしめていきます。
その場ではなんとか助かりましたが、大事なスマホが入ったポシェットを取られてしまったということもあり、むらさきばばあの退治が始まります。

読者の子どもたちに対して「こんなん読んで学校のトイレ入るの怖くないんかな」と感じさせられる、なかなかの恐怖を感じる作品です。

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図書館の怪談

最後に紹介するのはシリーズ16作目「図書館の怪談」。
タイトルのとおり図書館を舞台としたお話で、閉館後の遅い時間におばけが現れるので退治してほしいとの依頼から始まります。

これまでに何人かの職員がおばけに遭遇し、おばけの種類は様々。
のっぺらぼうや鎧を着た武者、白い着物の雪女のような女性など、いろんなおばけが現れるとのこと。
ナツカたちが閉館後におばけが出るのを待っていると足元から冷気が流れてきて、雪女が現れます。

今回は頭の切れるお父さんの推理でおばけたちが出てくる理由を突き止め、解決に至りますが、なかなかのホラー感。
実際に雪女が迫ってくるシーンは、気絶しないナツカがすごいなと思ってしまいます。

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おわりに

「ナツカのおばけ事件簿」シリーズは、これまであまりホラーものの物語に触れてこなかった子どもにとってはとても新鮮でドキドキしながら夢中になって読めるようです。
我が家の娘も「○○の話は怖かった」、「○○はパパにも読んでほしい」と、楽しみながら一気に読破してしまいました。

同世代の女の子がお父さんと一緒に仕事をして報酬を得るというのも、子どもたちにとっては新鮮で刺激になるかと思います。
本作が気になる方は、ぜひシリーズ第一作の「メリーさんの電話」から手にとってもらえればと思います。

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